誰でも簡単にできる、家を暖かくする5つの方法

不動産エージェントの桜井きゃらです。

12月に入って、北カリフォルニア、ベイエリアの平均最低気温も摂氏5度前後まで下がり、朝晩冷え込むようになりました。

すでに雪が降っている米国北東部の州に比べれば、まだまだ暖かいカリフォルニアの冬ですが、それでも日が落ちるとぐっと冷え込む気がしますね。

日本では、こたつ、石油や電気ストーブ、壁付けのエアコン式ヒーターなどが主流かもしれませんが、こちらでは、ガスファーネスと呼ばれるガス式暖房機で全室暖房、床に近くに設置されたベースボードヒーター、床下に埋め込まれた床暖房など、日本とはまた異なる暖房システムが利用されています。

また、実際に火を燃やす暖炉など日本の住宅では一般的ではない設備のある家も多いです。

こうした暖房システムの住宅で、断熱効果をあげ、エネルギーを節約するにはどんな方法があるのでしょうか。

今回は、誰でも簡単にできる、家を暖かくする5つの方法をご紹介します。


 

1. 窓やドアに断熱装備をする

 

家の中で一番気密性の悪い場所はというと?

やはり、窓やドアなどの開口部です。

気候や建築素材にもよりますが、暖めた室内の空気の熱エネルギーの半分近くが、窓やドアから流出してるというデータもあります。

大きな窓は明るくて気持ちいいものですが、建築のプロから言わせると、窓は家に穴があいているのと同じだそうで、完全に寒暖の差をなくすことができないそうです。

シリコンバレーの新しいタウンハウスなどでは、複層ガラス窓(Double Pane Window)を使っているところが多いですが、古い家は普通の一枚ガラスの窓の場合もあります。

複層ガラスに入れ替えると、断熱・防音効果も上がり、寒暖の差による窓の結露もずいぶん防ぐことができます。

しかし、たとえどんな窓でも、寒くなったら、厚手のカーテン断熱保温効果の高いブラインドで窓をおおうことで、ヒートロスを防ぐことができます。

 

 

断熱保温効果の高いブラインドとしては、何枚かの軽い布地が重なって、横からみるとハチの巣のように見えるハニカムシェード (Honeycomb shades またはcellular shades) があります。

このハチの巣構造のスクリーンは、二重三重の空気層を作って断熱保温効果を発揮

色やデザインも豊富で、遮光性の高いものなど様々な種類がでまわっています。

 

 

また、玄関ドアや廊下につながる室内ドアの隙間から暖かい空気が逃げたり、隙間風が入るのを防ぐために、アドラフトストッパー・ドラフトブロッカー(Door Draft Stoppers・Draft Blockers)という商品が出回っています。

ドアの下に取り付けたり、置いたりするだけで、隙間風の侵入を防ぐという、とっても簡単なアイデア商品。

 

 

 

サンタや動物のデザインを使ったドラフトストッパーなどは、インテリアデコレーションとしても楽しめるかもしれません。

 


 

2. シーリングファンの回る方向を変える

 

ベイエリアでは、エアコンがない家もたくさんあり、エアコンの代わりに天井に大きな羽の扇風機のようなシーリングファンがついているところも多くあります。

このシーリングファンは暑い日の扇風機代わりだ、と思っている方が多いのではないでしょうか。

実は、これが、冬にも役に立つんです。

暖かい空気は上へのぼって、天井付近にたまります。

その暖まった空気を均一に下の方まで行き渡らせたい場合、このシーリングファンが役立ちます。

シーリングファンは、通常、下から見上げると反時計回りに回って、涼しい風を下へ送ります。

 

 

このシーリングファンの本体に小さなスィッチがあり、それを切り替えると、今度は時計回りに回ります。

 

 

ゆっくりと時計回りに回るファンは、下からの空気を吸い上げ、天井にたまった暖かい空気をかくはんして、暖かい空気が下方へ循環する空気の流れを作り出してくれます。

こうして暖房で暖まった空気を効果的に室内全体に行き渡らせることで、エネルギーの節約にもなります。

シーリングファンがある方、一度試してみてください。

 


 

3. ヒーターのフィルターを交換する

 

今年は、コロナ禍、山火事等で、空気を清潔に保つ大切さが実感される年でした。

今お使いの暖房が全室暖房のガスファーネスの場合、温風の吹出口と空気の吸込口(intake またはreturn vent)があって、空気が循環するようになっています。

この吸込口は、通常、廊下の壁や天井など、サーモスタットコントローラーのそばにある場合が多いのですが、それぞれの家によって場所が異なります。

 

 

そして、吸込口の内側には、フィルターがついていて、吸い込む時に空気中の埃などをフィルターするようになっています。

このフィルターが汚れてくると、衛生面でもよくない上に、暖房機の機能も落ちます。

吸込口を見つけたら、一番上のグリルカバーをはずして、中のフィルターを見てください。

 

 

フィルターの枠にサイズが書いてありますので、正しいサイズのフィルターと交換してください。

Home DepotやLowe'sなどのハードウェアストアまたはオンラインで簡単に購入できます。(暖房機によっては、ファーネス本体に、洗って再使用できるフィルターがついているものもあります。その場合は掃除機で埃をすいとり、洗剤で軽く洗って干してから使用するとよいでしょう。)

 

 

今まで、この吸込口に気づかなかった方、試しにグリルカバーを開けてみてください。長年の埃がびっしり詰まったフィルターを見てびっくりするかもしれません。

今年の大掃除には、このフィルター交換も加えてあげてくださいね。

 


 

4. レジスターデフレクターで温風の方向を調整する

 

ガスファーネスの吹出口には、レジスターと呼ばれる吹出口カバーがついています。

床下のファーネスがあったりダクトが通っている場合は、吹出口のレジスターは床のあちこちにあり、ダクトが天井を通っている場合は、壁の上や下に見つけることができます。

このレジスターのデザインによっては、ここから吹出す暖かい空気が思うような方向に行かずに、暖かさを感じない場合があります。

そんな場合は、デフレクター(Air Deflector)と呼ばれる透明のプラスティック製のカバーを取り付けることで、希望の方向に温風が行くように調節できます。

 

このデフレクターには磁石がついていて、簡単にレジスターに取り付けることができますが、アルミニウム製のレジスターの場合には磁石がくっつかないので、鉄製のレジスターであることをご確認の上ご利用下さい。

このデフレクターもHome DepotやLowe'sなどのハードウェアストアまたはオンラインで、いろいろなデザインのものを手に入れることができます。

 


 

5. 暖炉開口部をカバーする

 

一口に暖炉と言っても、昔ながらの薪を燃やすタイプの薪暖炉、ガス式暖炉、電気式暖炉など様々な種類の暖炉があります。

もし暖炉が、薪を燃やす(wood burning) タイプなら、今後はあまり使用できない可能性がでています。

このところ、毎年起こる山火事で大気汚染が心配されるベイエリアでは、薪暖炉の使用を禁止する方向に向かっています。

今年、Bay Area Air Quality Management Districtでは、山火事のような大気汚染がひどい時は、冬の間だけでなく、いつでも薪暖炉の使用禁止警告を出して、規制を強化すると発表しました。

警告を無視して暖炉で薪を燃やすと100ドルの罰金を徴収されますので、下記のサイトで警告が出ているかどうか確認してから暖炉を使用されることをおすすめします。

ちなみにこのサイトで、各ベイエリア地域の大気の汚染度もわかります。

 

San Francisco Bay Area Air Quality Status by Bay Area Air Quality Management District

 

また、例え、薪を燃やしても大丈夫な場合でも、薪暖炉から出る煙は健康に害を与えるようです。

特に点火時と火が燃え尽きる時の煙に含まれる粒子が肺に入ると、免疫システムに影響を及ぼす可能性もあるそうです。

そのため、ベイエリアでは新築の家に薪暖炉を設置することは禁止となっており、ガス式など、薪を燃やさない暖炉が推奨されています。

 

暖炉はあるのに使えないとなると?

 

使用しない暖炉というのは、実は、家にぽっかりが開いているようなもので、風の強い日など冷たい風が煙突から吹き込んでくることもあります。

薪暖炉にはダンパーとよばれる煙突の穴をふさぐ開閉式のふたのようなものがついています。

しかし、こうした鉄製のダンパーを閉めても隙間風が入ってくる場合もあります。

 

 

また、旧式のガス式暖炉は、一酸化炭素が室内に流れる危険を避けるため、ダンパーが完全に閉まらないようにデザイされています。

すると当然空気が出入りするので、隙間風が入ってきます。

ガラス製の暖炉扉などをとりつけて暖炉の開口部を閉じれば、ある程度隙間風を防ぐことができます。

それでも気になる場合は、Fireplace draft cover、Fireplace draft eliminator、Fireplace blanket等の名前で出回っている、暖炉をすっかりカバーできる商品を使用してみるのもよいかもしれません。

また、暖炉開口部サイズの段ボール板の内側に不燃性のアルミ箔を張り、外側にはおしゃれなデザインの布などを張って、磁石などで暖炉のガラス扉の枠にぴたっとつけられるようなハンドメイドの暖炉カバーを自分で作ったり、オンラインで販売している人もいるようです。

最近では、煙突や換気口の必要がない、空気を汚さず、簡単に取り付けられる暖炉も出回っています。

 

 

電気式暖炉は、実際には火は燃えず、LEDライトで炎のように見せている暖炉です。メンテナンスの必要もなく、費用も安く、安全でモダンなデザインで、小さいお子さんのいるご家庭でも安心して使用できます。

 

 

また、バイオエタノール暖炉は、液体エタノールを燃料として実際に火を燃やす暖炉で、空気を汚さずに室内で使うことができます。卓上用の小さなものなどいろいろデザインのインテリアとしても人気が高まっています。

今後はこうした煙突や換気口の必要がないモダンな暖炉で、空気を汚さず暖をとるというのが、ますます主流になるかもしれません。

 

家の中で仕事や勉強をる機会が多くなりましたので、ご自宅の設備をもう一度見直し、安全で快適なおすまいで、よい年をお迎えください!

 

 

 

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です