知らないとあとで困る『タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)』設置の注意点

住宅デザイナーのイエンさとこです。

皆さん、給湯器についてマジメに考えてみたことはありますか?たかが給湯器とあなどるなかれ、実は奥が深いのです。

日本では、ほとんどの住宅が、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)ですが、アメリカでは、ウォーターヒーターと呼ばれるタンク式給湯器が主流です。

よく巨大な円筒タンクがガレージなどに置かれているのを見かけることでしょう。あれがタンク式給湯器です。

タンク式のウォーターヒーターは、ガス式と電気式がありますが、一般的なのはガス式

パイロットランプで常に火種がついていて、中のお湯を温めている巨大なポットのようなものです。

しかし最近は、場所をとらないし、お湯がふんだんに使えるということで、タンク式からタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)に付け替えたいと希望する人も増えています。

ただしここで「ちょっと待った!」です。安易にタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)を購入してしまうと、あとで予想もしていなかった事に直面する可能性もあります。

では、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。

まず、タンク式のウォーターヒーターとタンクレスウオーターヒーターの利点欠点をそれぞれ見てみましょう。

タンク式ウォーターヒーター

  • タンク内の温まったお湯を使い切ると、水になってしまう。
  • 常にお湯を温めているので、無駄が多い。
  • 地震などでタンクが壊れたら、中の水で水浸しになる。
  • ガス式なら停電になっても、タンク内のお湯を使える。
  •  万一災害で断水になった時、タンクが貯水タンクとなる。

タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)

  • お湯が無尽蔵に使える。(ただし、給湯器の容量と使用量にもよる。)
  • お湯を使う時だけ沸かすので経済的。
  • タンクが壊れて、水があふれ出る心配などはない。
  •  電気が切れたらお湯が使えない。
  • 断水になったら、お湯も使えない。

これらが、おおまかな利点や欠点の比較ですが、お湯を使う量やウォーターヒーターの容量によって事情は異なります。

また、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)にすれば、蛇口をひねるとすぐに熱いお湯が出ることを期待するかもしれませんが、これは、蛇口とタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)の距離によりますので、ご注意を。

双方の距離が遠ければ、蛇口をひねってからお湯が出るまで時間がかかります。

これを防ぐためにRecirculation system(即湯循環システム)を付ける、という方法も可能です。

給湯器の下部に即湯ユニットを連結して、配管内のお湯を常に循環させておく、という仕掛けです。

お湯を使う少し前にスィッチ入れておいて、全く使わない時はスィッチを切っておくこともできます。

タンク式とタンクレスのどちらの給湯システムがよいかは、各住宅の事情によりますが、

最も多く聞かれる失敗談が、工事費の見積もりミス

タンク式のウォーターヒーターを外し、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)を設置、これで工事完了だと思っていたら、大きな落とし穴が。

実はほとんどの一軒家の場合、ガス管の内径が3/4インチである場合が多く、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)に接続するためには内径1インチの太いものに付け替えなければなりません

ガスのメインバルブとタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)の距離が長ければ長いほど、この費用は大きなものとなりますし、場合によっては、専門業者に依頼して、市のパーミット(認可)を得る必要が出てきます。

 

簡単にタンク式と入れ替えるだけだと思って、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)を購入してしまうと、のちのち大きな費用がかかることがわかって延期せざるを得ない、なんてことにもなりかねませんので、ご注意を。

 

では、これら全てを考慮しても、ぜひタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)を取り付けたい、という場合、どの場所が一番よいのでしょうか。

タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)は、家の中につけても、外につけても大丈夫

家の中にタンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)を取り付ける場合は、ガレージ内が多いですが、取り付けるには、床から7フィート以上の高さでないといけない、また、車との接触を避けるため、bollardと呼ばれる防護用のくいを取付けなければならない、などの規制があります。

ガレージ以外であれば、廊下のキャビネット内に取り付けることも可能です。

ただ、お湯が使われるたびに、『シュポッ!』という、火がついて燃える音がするので、気になる人は寝室から離した方がいいかもしれません。

ちなみに、寝室のクローゼット内の設置は禁じられています。

 

外に取り付ける場合は、窓から一定距離離れていなければならない以外は、基本的には自由ですが、キッチンやバスルームといった、お湯を使う所になるべく近く設置するのが、かしこい選択でしょう。

 

 

 

最後になりましたが、将来家の増築を考えている場合には、タンク式給湯器を残すべきか、タンクレスウォーターヒーター(瞬間給湯器)にするべきか、またそれらをどこに設置するのが得策か、さらに慎重なリサーチが必要です。

 

増築には、ガレージや部屋のサイズが基準にあっていることが求められるため、どんな給湯器をどこにいれるかによって、増築が難しくなってくる場合が出てくるからです。

 

給湯器の付け替えは、上記のような点を考慮されて、事前に建築デザイナーに相談されるとよいと思います。

給湯器の専門業者やコントラクターはこう言った事情を教えてくれない場合が多いのでご注意ください。

 

たかが給湯器、されど給湯器、利点と欠点を十分理解した上で、後悔のない、最善の選択をしたいものですね。

 

 

 

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です