新型コロナ対策になるスマートホームとは?
不動産エージェントの桜井きゃらです。
カリフォルニア州では、3月から外出自粛要請のため、生活が全く変わってしまいました。
食料品販売以外のお店は営業ができなくなり、多くの企業が自宅勤務に切り替え、学校も、休校になりました。
多くの人が家で、仕事、勉強をオンラインでこなす、という生活様式になり、食品の買い出しで出かける時も、マスク着用。
感染を防ぐために、信号機やエレベーターのボタンを直接さわらない、さわったら、手洗い消毒を忘れない。
家に帰れば、まず、手洗い、うがい、など、感染をふせぐために、常に気をつけなければいけない世の中になりました。
今回の感染予防対策で、アメリカでは、直接さわらずに家の中をコントロールできる、スマートホームが注目を浴びています。
IT産業の中心地であるシリコンバレーでは、スマートホームは、すでに実用化が進んでいて、スマート家電を装備した家もたくさんあります。
では、スマートホーム、とは何でしょう?
スマートホームとは、AI (人工知能) やIoT (モノのインターネット) などの最先端のテクノロジーを利用して、安全で快適な暮らしを実現しようという、コンセプトの住宅です。
つまり、スマートフォンやタブレット、音声認識コントロールやセンサーを使って、家電製品を動かしたり、管理するシステムを備えた住宅ということです。
すでにオーディオシステムやいろいろな製品が出回っていますが、今回は、新型コロナ感染予防として、人気が高まるのではないか、と予想されるスマートホームグッズを見てみましょう。
1.タッチレス水栓
タッチレス蛇口、ハンズフリー水栓、自動センサー蛇口、センサー水栓、など、日本ではいろいろな呼び名がついていますね。
手をかざすと、センサーで水が出る蛇口は、ホテルや会社でおなじみだと思います。
新型コロナ感染が広がってから、このタッチレス蛇口を自宅のキッチンやバスルームへの取り付けたいという人が、増えているようです。
タッチレス蛇口といっても、見かけはほとんど普通の蛇口と変わりありません。
スタンダードの規格であれば、今ついているキッチンやバスルームの蛇口と取り換えることは可能です。
取り付けで、気を付けなければいけないのは、シンクの下に電源をつなげるコンセントがあるかどうか確認すること。
バッテリーで作動するものもありますが、やはり頻繁に使うキッチンやバスルームでは、きちんと常に作動するよう、電源につなげるタイプの方がよいようです。
センサーで水が出るタイプだけでなく、音声で作動するタイプもあります。
もし、停電になって、電気が切れても、手動で水が出るようにできる機能がついているものもあります。
両手がせっけんの泡だらけになっても、蛇口をひねらずに水やお湯が出るのは、確かに便利で清潔ですよね。
2.スマートドアロックシステム
シリコンバレーでは、鍵を持ち歩かなくていい、オートロック式の玄関ドアロックシステムは、かなり普及していて、よく見かけます。
暗証番号を入力して開閉するもの、住人の指紋を登録して、指紋認証で開閉するものなどもあります。
不動産エージェントとして家を売る際に、空き家になった家をリモデルするため、業者が朝早くから出入りする時など、こうした暗証番号式のドアロックはとても便利です。
暗証番号を教えれば、だれでも出入りできて、暗証番号を替えれば、今までの暗証番号しか知らない人は、もう入れません。
しかし、できるだけ接触を減らすことが安全につながる今日この頃、暗証番号のボタンにもさわらずに開閉できた方が便利です。
そういう場合、スマートフォンか音声認識システムで開閉する、ドアロックシステムが、ぴったりです。
音声認識コントロールをセットして、声を上げて命令するだけで、ドアの鍵を開け閉めする。
あるいは、Geofencing (ジオフェンシング) システムをセットしたスマートフォンを持って近づくだけで、ドアを開け閉めすることもできます。
ジオフェンシングとは、GPSやWifiなどで、設定できる仮想の柵・境界のことです。
このシステムを使って、仮想の境界を設定し、その境界内にスマホの利用者が入ったら、自動的に鍵が開き、その境界から出れば、鍵が自動的に閉まるというシステムです。
3.防犯カメラ付きスマートドアベル
また、ドアロックだけでなく、防犯カメラ付きの呼び鈴(ドアベル)も人気です。
こうしたドアベルは、自分がどこにいても、誰が玄関に来たか、スマートフォンでライブ画像を見ることができます。
見るだけでなく、スマホを通して、玄関に来た人と直接会話もできるので、とても便利です
また、その画像をビデオとして録音してくれるので、誰かが配達の荷物を玄関に置いた様子など、あとから見ることができます。
最近は、オンラインショッピングで配達されたものが、玄関先から盗まれることも、よくあるようです。
こうした防犯カメラ付きのドアベルは、盗難予防になるだけでなく、録音したビデオをソーシャルネットワークなどで共有して、ご近所への防犯の呼びかけなどにも役立っています。
4.その他のスマート家電
この他にも、音声認識システムやスマホのアプリで、コントロールできる家電製品は、どんどん増えています。
冷暖房、電気等のスィッチやコントロール、
自動開閉できるブラインドやカーテン。
タッチレスで水を流せるスマートトイレ。
スマホで操作できるスマート洗濯機や乾燥機。
ロボットのように自分で障害物をよけて、床掃除をしてくれるスマート掃除機。
庭の芝刈りを引き受けてくれるスマート芝刈り機。
芝生や花壇の水やりの範囲や水の量を調節できるスマートスプリンクラー。
Wi-Fiで焼き加減を調節できて、肉が焦げずにおいしく焼けるスマートバーベキューグリル。
外出していてもWi-Fiでスィッチを入れて、火加減を調節できる調理器具。
スマートオーブン、スマート電子レンジ、スマートコーヒーメーカー・・・
物がどんどんスマートになっていきますね。
ちなみに、日本では、スマートを『細身の』という意味で使いますが、英語のスマートにはその意味はありません。
本当のSmartの意味は『回転が速い』『頭がよい』『高性能な』などです。
朝、起きたら、すべて音声認識で、カーテンやブランドを開けて、コーヒーメーカーのスィッチを入れて、テレビをつけて、朝食を作って、出かける時は、何も心配なく自動的に冷暖房のスィッチを切って、玄関のドアも施錠してくれる。
確認したければ、いつでもスマホで確認。
こんな未来の生活と思えたことが、もう現実になっています。
しかし、万一、このスマートホームがハッキングされたら?
直接さわらずに家電をコントロールできるスマートホームは、便利で、感染予防にもよいかもしれませんが、
安全面が心配、という声もあります。
便利なものには、リスクもつきもの。
セキュリティ対策も考えないといけません。
スマートホームを使いこなすには、使い手もスマートにならなければ、ということでしょうか。