タウンハウスとコンドミニアムの違いをご存じですか?

 

不動産エージェントの桜井きゃらです。

 

タウンハウスの購入申込が受け入れられて、ローン申請を始めたお客さんが、慌てて電話をかけてきました。

 

「銀行のローンエージェントが、『購入物件はタウンハウスか?』と聞いてきたので、そうだ、と答えたのですが、その後、『この物件はコンドミニアムだから、ローンの利率が0.25%上がる』と言われてしまいました。一体、どうしたらよいでしょうか?」

 

ローンを正式に申請する直前になって、ローンの利率が0.25%も上がると言われ、お客さんはかなり焦っていました。

この方が購入したのは、見かけはタウンハウスです。

しかし、このローンエージェントが聞いてきたのは、所有権としてのタウンハウスかコンドミニアムか、ということでした。

 

???

 

一体、どういうことなのでしょうか?

 

まず、ここで、私たちが気軽に使っている『タウンハウス』『コンドミニアム』という言葉の定義を考えてみましょう。

 

 

タウンハウスとは?

まず、タウンハウス、タウンホームというのは、建物のスタイルの名称です。

 

通常、外から直接入れる独立した玄関ドアが一つ一つのユニットにあり、壁と壁が接している上から下まで同じユニットの連棟建てや、一階と二階に別なユニットがあるアパートのような建物です。

また、共有する土地や施設があり、HOA (Home Owners Association) という住民自治の管理組合で管理されている集合住宅です。

ヨーロッパや日本では、連棟建ての集合住宅をテラスハウスと呼ぶようですが、こちらではすべてタウンハウス、タウンホームと呼んでいます。

一見アパートのように見える建物もありますが、はっきりとした違いといえば、アパートは賃貸用で大家が管理し、タウンハウスは、すべて分譲販売され、家主たちがHOAという管理組合を通して建物を管理している点です。

 

シリコンバレーの古いタウンハウスは、2階建て集合住宅で、一階二階で一つのユニットを構成しているか、あるいは小さな庭のついた一階とバルコニーだけの二階が別々のユニットというスタイルが多いです。

このようなタウンハウスの駐車スペースは、コンプレックス内のカーポートか、決められた駐車スポットであったり、建物の下にあっても、一度ユニットから出ていかなければならないガレージなどがよくあります。

 

比較的新しいタイプのタウンハウスは、階下がガレで、居住空間は2階3階部分になっていて隣同士の壁を共有している連棟式集合住宅の形をとっています。

 

また、古いタイプのタウンハウスコンプレックスは、広い敷地内に、スイミングプール、テニスコート、コミュニティルームなどを設備している場合が多いのに対し、最近建てられたタウンハウスは、こうした施設がほとんどなく、建物がコンプレックス内にびっしり建って、個々の居住空間を多くとっている場合が多いです。

コンドミニアムとは?

では、コンドミニアムとは何でしょうか?

 

コンドミニアムは、(A)建物のスタイルを指す場合もありますし、(B)物件の所有権の区分として使われる場合と二通りあります。

 

(A)建物のスタイルとしては、アパートメントビルディングのような低層の集合住宅や、日本で分譲マンションと呼ばれるような高層ビルディングの建物が一般的です。

(ただし、日本語の『マンション』は、英語では『豪邸』という意味になるので、アメリカ人に対し、自分は日本でマンションを持っている、と英語で言うと意味が違ってしまうので、ご注意。)

 

通常、建物がビルディングタイプで共有の入り口があり、廊下等に各ユニットの玄関ドアがある、というような建物が、コンドミニアムと呼ばれるスタイルの建物です。

タウンハウス同様、同じ建築スタイルのアパートとの違いと言えば、賃貸であるか、分譲であるかということになります。

 

では、(B)『物件の所有権の区分としてのコンドミニアム』というのは、いったいどういうことなのでしょうか?

 

 

物件の所有権の区分

まず、物件の所有権の区分としては、建物と土地の両方を所有するかしないかによって、おおまかに分けて以下の3つに分かれます。

 

  • Single-Family Home(一軒家):建物と敷地のすべてを所有。
  • Condominium(コンドミニアム):建物だけを所有。
  • PUD (Planned Unit Development)(計画住宅開発):建物とその下の土地、あるいは一定周囲の土地を所有。

 

California Land Title Association (カリフォルニア州土地権限協会)の定義では、建物の形式に関わらず、土地の所有権の区分けとして、建物部分の土地を所有するのがPUD、土地を所有せず建物部分のみの所有はコンドミニアムとされています。

 

コンドミニアムスタイルの建築物は、所有権もコンドミニアムタイプ、つまり土地は所有せず建物のみ所有することになります。

 

しかし、物件の所有権の区分としてのタウンハウスはありません。

 

そのため、所有権を明確にするためには、タウンハウスは以下のように2種類に分かれます。

 

  1.  所有権がコンドミニアムタイプのタウンハウス・・・土地を所有せずに、建物だけを所有
  2.  所有権がPUDタイプのタウンハウス・・・建物と建物が建っている部分の土地も所有、あるいは、中庭や周囲の庭など一部の土地も所有。

 

たとえ、みかけが、連棟式の壁だけで隣とくっついているスタイルのタウンハウスでも、古いアパートスタイルのタウンハウスでも、所有権はコンドミニアムタイプもあればPUDタイプもあります。

 

では、どうやって、どちらのタイプかを見分ければよいのでしょうか。

 

これは、不動産売買の時に出されるディスクロージャーと呼ばれるたくさんの書類の一部に明記されています。

 

以前、ある不動産エージェントのオープンハウスで、このタウンハウスは土地も所有できるのか、とお客さんの代わりに質問したことがあります。

しばらく考えたあと、その不動産エージェントは「I don’t know.(わからない。)」と答えたので、びっくりしたことを覚えています。

なぜなら、この不動産エージェントは長年その地域で、何軒も不動産を売買していたからです。

どの書類を見ればよいかを知らなかったのか、書類を確認するのが面倒だったのか、わかりません。

 

しかし、どちらのタイプのタウンハウスかで、住宅ローンの金利が変わってくる可能性があるのであれば、重要なことです。

 

 

慌てて電話をかけてきたお客さんのローンエージェントは、購入が決まった物件がPUDタイプのタウンハウス』つまり土地所有権あり、かどうかという意味でお客さんに聞いてきたわけです。

お客さんは、所有権区分など知りませんから、建物のスタイルとして、『タウンハウス』であると答えました。

『タウンハウス』と聞いたこのローンエージェントは、PUDタイプのタウンハウス』だと思ったわけです。

しかし、実際に調べてみると、このタウンハウスは、『コンドミニアムタイプのタウンハウス』つまり、土地の所有権がなく建物だけ所有の物件でした。

 

土地を所有しない建物だけ所有の物件は、銀行側としてはリスクが上がるので、ローンの利率が上がってしまったわけです。

(ただし、物件の所有範囲がローンの利率に影響するかどうかは、それぞれ金融機関やローンプログラムによって対応が異なります。)

 

ところが、私はすでに前もって、それが明記されている書類を、このローンエージェントに送ってありました。

ローンエージェントである彼がそれを見れば、PUDタイプか、コンドミニアムタイプのタウンハウスなのかは一目瞭然です。

わざわざ、不動産の専門家でないお客さんに、聞く必要はないわけです。

 

私はすぐにこの銀行のローンエージェントに電話で文句を言いました。

 

購入契約に入る前に、すでに書類を送ってあるはずなのに、契約後に所有区分の区別も知らないお客さんに確認するのは、非常識である、それなら、なぜ私に問い合わせて確認しなかったのか。

自分が物件の所有区分を事前に確認せずに、安いローンの利率を提示しておいて、物件の所有区分が違っていたという理由で、あとからローンの利率を上げるのは不当ではないか。

 

こう文句を言われたローンエージェントは、慌てて言い訳をいいながら、なんとかするから、と言ってそそくさと電話を切りました。

 

その後、またお客さんから電話があり、「ローンエージェントが、ローンの利率を元に戻してくれたので、元の低い利率でローン申請ができました!」とほっとした声が聞こえてきました。

 

お客さんのほっとした声を聞いて、私もほっとしました。

 

この他にも一軒家でありながら、PUDである、など他にもいろいろな区分がありますので、物件の所有権については、どうぞご注意下さい。

 

 

 

 

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