シリコンバレーでは、住んでいるだけで自宅が投資になる!?

不動産エージェントの桜井きゃらです。

数年前に、東京にある両親の自宅を売却しました。

父が先に亡くなり、母をカリフォルニアに連れてきてしまい、両親の自宅は1年以上空き家になっていました。

1980年ごろに購入した家は、すでに傷みもあちこちにあり、空き家にしたとたん、かび臭くなってさらに傷んでしまいました。

「もう日本には戻らない」と今は亡き母が言ったので、処分を決心して東京の両親の自宅を売却しました。

日本の中古物件で、状態のよくないものはまず、壊して更地にし、新しく建てる、というのが一般的です。

両親の自宅売却は、中古車の下取りに出すのと同じ。

価値があるのは土地だけで、その上の建物は鉄骨だったため、逆に解体費用がかさみ、たいした金額では売れませんでした。

40年前に新築した両親の家は、たいした価値にもならず、消えてしまいました。今は真新しい新築物件が建って、新しい方が住んでいるようです。

これがもし、シリコンバレーにある家だったら、どうでしょう。

40年前に購入した一軒家は、シリコンバレーの場所によっては、7~8倍の価格で市場に出ています。

どうして、シリコンバレーの不動産がそんなに高い値段になるのでしょうか。

シリコンバレーの持ち家が、投資になる5つの理由を検証してみました。

 


 

理由その1:シリコンバレーでは、景気と雇用が上昇し続けている。

少し古いデータですが、2019年の8月の段階で、地元のサンノゼマーキュリー新聞に掲載されたチャートです。

この10年間で、どれだけ雇用が伸びているかがわかります。

そして、雇用が伸びているのは、主に、サンフランシスコ、サンマテオをとりまくシリコンバレーの地域です。

不動産の価格は、景気と雇用に左右されます。

たくさんの人が雇われて、その地域に移り住めば家が必要になります。

賃貸や購入で家を確保する動きが活発になります。

景気もよければ、財布のひももゆるくなり、大きな買い物をする気持ちのゆとりがでます。

家を買いたい人が増えれば、競争になって、家の価格も高くなっていきます。

『これから家の値段は上がりますか?それても下がりますか?』

とよく聞かれます。

わたしたちプロの不動産エージェントは、どうやってそれを判断するか。

それを判断する一つの基準が、この景気と雇用の動きです。

コロナ感染の影響で、ビジネスが影響を受けつつある現在。

IT産業の中心地であるシリコンバレーは、外出自粛要請の中でもオンライン、ハイテクツールを活用して、営業を続ける企業が多くあります。

一方で、需要はあるのに、営業ができないビジネスもたくさんあります。

しかし、コロナ感染が収束すれば、ビジネスが再び活性化し、景気が戻ってくる、

このような潜在的需要があるために、株式市場は日々上がったり下がったりしています。

今は長期的視野にたって、景気回復後の社会を念頭に置いて、計画をたてる時期かもしれません。

 

 


 

理由その2:ビジネスの中心地として、人が集まる。

シリコンバレーは、世界中から起業家が集まる経済の中心地です。

アップルやグーグル、フェイスブックの本社があり、たくさんのIT企業がひしめくシリコンバレーは、世界のIT産業の中心地になっています。

新しいアイデアで起業するスタートアップと呼ばれる新会社、新しいビジネスが次々に生まれる場所。

起業家同士のネットワークも盛んなシリコンバレーは、ビジネスを始めようとする人にとって魅力的な土地になっています。

そのため、全米から、そして世界各国から、ビジネスチャンスを求める人たちが集まってきます。

研究、発明、起業、ネットワーキング・・・

今後成長していく分野でのビジネスが、他のビジネスをひっぱって、人を集める、

こうして、シリコンバレーに、たくさんの人が移住してくるため、不動産価格もまた、あがっていくわけです。

 

 


 

理由その3:シリコンバレーは、暮らしやすい。

シリコンバレーは、なんといっても気候がいい場所です。

年間を通して温暖で、夏も乾燥しているために日陰に入れば涼しく、冬が短くて2月にはもう春のような暖かさ。

冬の雨季以外はほとんど雨が降らず、からっと晴れた青空に、ヤシの木がそよいでいるのを見ると、元気が出ます。

人もおおらかで、フレンドリーなのは、このさわやかな気候のせいもあるかもしれません。

また、シリコンバレーは交通機関も便利で、移動がとても楽な地域です。

シリコンバレーには、サンフランシスコ空港とサンノゼ空港という二つの国際空港があり、常の多くの人が世界中と行き来しています。

サンノゼ空港は、街の中心部、サンノゼダウンタウンからも近く、ハイウェイ101や280を使えば、サンフランシスコまで車で行き来できます。

最近は、BARTとVTAと呼ばれる電車の路線が、イーストベイからサンノゼ方面に延びてつながり、新しくミルピタス駅とベリエッサ駅が開通しました。

こうした便利な立地が、ビジネス関係者に重宝され、今後も人が集まる要因になっています。

 

 


 

理由その4:シリコンバレーでは、学校区のレベルがどんどん上がっている。

シリコンバレーには、全米でもトップクラスの小中高校が集まっています。

1885年に設立されたスタンフォード大学は、グーグルの創始者を輩出したことでも有名な私立大学です。

その近辺のパロアルト市は、住人の学歴も高く、アカデミックな環境を整えています。

クパティーノ学区も、高学歴の移民が移住してきて、公立の小中高と学校のレベルを引き上げています。

こうしたよい公立校に通うには、その学校区内に居住している必要があります。

よい学区内にある不動産には、そこにある学校に通わせたい家庭が殺到するため、競争になり、価格がどんどん上がります。

シリコンバレーには、こうしたよい学区だけでなく、もちろん、学力レベルがそれほど高くはない学校区もあります。

ところが!

このところ、景気や雇用の増加にともない、高学歴の家庭が移住してくる傾向が強まり、それまで、あまりぱっとしなかった学区の学力レベルも上昇してきています。

英語で、Gentrification (ジェントリフィケーション) と言いますが、

あまりよくなかった地域が、どんどんよい環境の住みやすい地域に、そこそこだった学区が、よい学区へと変化してきています。

学校のレベルが上がると、当然、その地域に家を買いたい人が集まります。

学校区のよい家は、ほぼ確実によい価格で売れる、というのが定説になっています。

ただし、そのため、価格が上がりすぎている、ということも言われていますが・・・。

 

 


 

理由その5:シリコンバレーでは、世界中の人が家を買う。

シリコンバレーを最初に訪れた方は、ここがどこだか、一瞬目を疑うかもしれません。

シリコンバレーは、ニューヨークマンハッタンやロサンゼルスのように、移民が非常に多い地域です。

世界各国から人が集まるため、それぞれのコミュニティが発達しています。

中近東系の食料品を売っている店、イタリア系のスーパーマーケット、メキシコ料理、インド料理、アフリカ料理等々、世界各国のレストランやスーパーマーケットがあります。

日本のスーパーや日本語学校など、日系のビジネスも多く、日本のTV放送や新聞も注文できて、日本とあまり変わらない生活もできます。

こうしたコミュニティが形成されると、移民は、コミュニティの近くに住むことをのぞむため、人口が増えるわけです。

サンフランシスコには、中華街があり、日本町があります。

サンノゼにも、ジャパンタウンがあり、日本食レストランや日系アメリカ人のビジネスが集まってます。

最近はサニーベールにインド料理店やインド系のビジネスが多くなっているようです。

アメリカ人が別な州へ簡単に引っ越していくのに比べ、他の国から来た移民は、アメリカにいながら、やはり自分たちの食生活や文化を楽しめる地域の近くに住む傾向があります。

 

 

こういった様々な理由で、シリコンバレーの家の需要は伸び続け、地価も上がっていくことになります。

数年前に買った家でも市場価格が上がって、すでにイクイティが貯まっている場合が、たくさんあります。

そういう場合、売る時は、買った時より十分高い値段で売ることができます。

ただ、自宅として住んでいるだけで、市場価値が上がっていく

どの地域にどのくらい長く住むかにもよりますが、自宅が投資になれば、これ以上の安心はありませんよね。

 

 

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